賃貸不動産経営管理士に3週間、15時間の勉強で合格した話
こんにちは、杉浦かおると申します。
賃貸不動産経営管理士に合格しました。
これで2024年に取得した資格は宅建士、乙四、賃貸不動産メンテナンス管理者に足して4つ目。
業務の繁忙期の関係で8月下旬以降から半年しか勉強できなかったことを考えればかなり良い結果だと思います。
賃貸不動産経営管理士の勉強時間は宅建が終わってからの3週間、勉強時間は実質的に15時間でした。
賃貸不動産経営管理士という資格は宅建に合格していればそこまで勉強が必要な資格であるとは思いません。
しかしながら、2024年度の賃貸不動産経営管理士の自己採点点数は37点とまさかの宅建の自己採点よりも低い点数でした。
感覚的にも宅建より難しい部分があり、2025年度以降の賃貸不動産経営管理士は宅建より難化する可能性も考えられます。
合格率も24.1%と2024年宅建士試験の合格率18%よりは高いものの、宅建は不動産関係者、法律関係者以外の方も受ける試験です。
当然宅建士持ちも多く受けることから賃貸不動産経営管理士の受験者のレベルは高いため、資格難易度としては同等ぐらいの印象です。
実際に受験会場においては宅建においてまま見られた記念受験的な10代の学生・法学部の腕試し的な人はほぼいなかったことからも予想されます。
むしろ国家資格となってから日が浅く、問題の予想が難しい賃貸不動産経営士のほうが過去問に準じる問題が出る宅建に比べてテストではリスキーなほどです。
と、いうわけで賃貸不動産経営管理士に3週間、15時間の勉強で合格することができた勉強法について記載していきます。
ただし、自分の自己採点結果は37点。2024年度のボーダー35点を上回ったものの、あまりにもギリギリです。
このため、あくまでも自分の勉強法は「資格にギリギリ合格すること」だけを主眼においた記事であることを念頭においてご覧ください。
なお、同じように勉強し合格した宅建士の勉強法についても下のブログにまとめてありますのでよろしければご覧ください。
自分の学歴・保有資格等
まず資格合格記を記載するにあたり、合格者たる自分の学歴・保有資格等を記載しなければ後に続く受験者の参考にならないと自分は考えています。
スペック・保有資格等については下記の通りです。
アラサー
地方国立大学法学部卒
(会社法ゼミだが実定法が楽しくなく、国際政治関係ばかり勉強していた)
- 数千人クラスの企業における人事部(福利厚生・借上社宅担当)
- その他契約担当等も経験あり
- 宅建士
- 賃貸不動産メンテナンス主任者
- FP2級
- ビジネス実務法務検定2級
- 日商簿記3級
- ITパスポート
- 危険物乙四 その他もろもろ (ちなみに社労士勉強中)
宅建合格にあたり使った教材
使用した教材は3つでした。
- 教科書:「みんなが欲しかった賃貸不動産経営管理士の教科書」
- 過去問:アプリ・ネットの「賃貸不動産経営管理士過去問道場」
- 予想問題集:個人的には販売されているもの全部購入したほうがいい
費用としては過去問道場(基本無料)のサブスク代を含めて5,000円も掛かりませんでした。
下記に詳しく解説します。
教科書はTACの「みんなが欲しかった」シリーズが事実上一択
賃貸不動産経営管理士は宅建に比べると資格としての歴史、受験者数が少ないことから参考書自体があまりありません。
このため実質的にTACの「みんなが欲しかった賃貸不動産経営管理士の教科書」一択となります。
内容としては公式テキストを噛み砕いたもので挿絵も多い感じです。
公式テキストも将来的に必要になるかも
ちなみにですが公式テキストも実務で使えるいい本です。
試験に受かるだけなら公式テキストは現状必要ありませんが、勉強期間に余裕がある人、不動産業に携わる実務者は公式テキストを購入しておいたほうがいいです。
テキストとしての出来はとてもいい本だと思います。
内容は大きく変わらないので数年前のものを古本で購入しても良さそうに思えます。
なお、出題内容がここ数年で飛躍的に難化していることから2025年度以降からは公式テキストを読み込む必要も出てくるかもしれません…
過去問集を購入する必要なし!Webアプリ、ブラウザの「宅建過去問道場」を使え!
賃貸不動産経営管理士に合格するにあたって過去問集を購入する必要はありません。
Webアプリ、ブラウザの「賃貸不動産経営管理士過去問道場」を使えばOKです。
実際ほぼ使ったのはこれだけです。
過去問道場は有料プランに加入したほうが間違いなく良いです。(後述)
ただし、半年以上掛けて勉強する方であれば後述の通り一問一答の正解率が85%を超えてからでいいかと思います。(それでも月額400円ぐらいですが…)
予想問題集は2025年度以降必須になりそう、全種類購入したほうがいいかも
比較的勉強時間に余裕があったため、予想問題集も購入しました。
基本的には予想問題集についてはどれを購入しても良いかとは思いますが、TACのものが一番有名です。自分は本屋に売っていた日新学院のものを購入しておきました。
2025年度以降、賃貸不動産経営管理士合格のためには予想問題集の購入、やりこみは必須となると思います。
ここ数年で飛躍的に難化している賃貸不動産経営管理士は過去問があまり役に立たないと感じるためです。
実際、自分が受けていた予想問題集をやっていなかったら落としていた問題がいくつかありました。過去問は95%以上の正答率でしたが、本番では37点しか取れなかった始末です。
予想問題集をやり込まなければ試験に合格しないと思ったほうが良いと思います。
3週間、15時間で賃貸不動産経営管理士に合格した私の勉強法
教科書を2回読む
とりあえず通勤時間や寝る前など気楽にパラパラとめくる感じで教科書を2回は通読します。
アンダーラインは一切引かなかったものの、特に気になる分野や過去問を解いていて正答率の低かった分野については小さい付箋を貼り付け再読していました。
基本的には宅建の知識とほとんどが重なり、管理業務や設備関係がより細かく深くなっているような感じです。
テキスト自体も宅建合格・もしくは受験している人向けに作られているものと思われます。
過去問テキストは不要「宅建過去問道場」をやれ!過去問道場の使い方
次はすぐに過去問に取り掛かります。
宅建を経験していれば「法令」の勉強をほとんど要さないことから教科書は早めに切り上げ「賃貸不動産経営管理士過去問道場」で過去問をひたすら回していくのがいいと思います。過去問道場は紙テキストよりも充実しているうえ、使い勝手も良いことから「どうしても紙を用いないと勉強できない!」という方以外は過去問道場を使うべきであると考えます。
下に「賃貸不動産経営管理士過去問道場」の使い方を記載します。
なお、あらかじめアカウントを作成しておくと正答率が通算されるのでアカウントは先に作っておきましょう。ちなみにタブレットやスマホでアカウントは使い回せるものの、キャッシュで正答率を共有しているようで機種ごとの正答率にしかならないようです。
一問一答を解き続けて正解率90%まで持っていく
まずいきなり4択問題へは行わず過去問の一問一答を解いていきます。
分野ごとの小見出しがありますので上から順に潰していきましょう。
一問一答をまず解くべき理由は、四択問題をいきなり解くと二択で悩んでたまたま当たったものも正解となってしまうことから、不十分な理解に留まってしまうためです。
「二択に絞ってどっちかが当たればOK」という勉強では正答できません。
このため、まずは一問一答を解き続けてあやふやでない確実な知識を得られるようにするのが良いと思います。
個人的にはすべての分野で正答率が90%になるまでは一問一答をとにかく解き続けました。ただし、自分はボーダーギリギリ合格だったため余裕があれば95%ぐらいまで正答率を上げておくべきかもしれません。
一分でも空いた時間があればスマホから解くのが良いと思います。(アプリもあります)
テキストを持ち歩く必要がなくどこでもできるのが一問一答のいいところ。
気分転換にカフェでポチポチしたりしていました。
もっとも、宅建合格レベルの方ならいきなり90%近くの正答率が叩き出せるようになると思われるため、すぐに四択問題に入りましょう。
有料会員になったうえで四択問題に突入する
一問一答が90%以上(欲を言えば95%以上)正答できるようになったら、いよいよ四択問題です。
これも分野ごとに順番に解いて行けばいいです。
一問一答でしばきあげられている分、四択はそこまで心理的・時間的にも苦労しないかと思います。
これも正答率90%、欲を言えば95%を目指しましょう。
スマホだと画面サイズから四択問題は見にくいため、四択についてはタブレットやPCで取り組んだほうがいいと思います。
自分は1時間早く出社して始業前に会社のPCでひたすら問題を解いていました。
注意点として四択問題に突入する前に有料会員になっておく必要があります。
無料会員では四択問題の解答解説が隠されてしまうためです。
有料会員になるのは四択問題まで解けるようになってからで良いと思います。(挫折するかもしれませんし…)
PDF形式で打ち出して紙で回答する
仕上げとして過去10年分程度の過去問題を過去問道場から紙で打ち出します。本番さながらに時間を測り解いていきましょう。
有料会員ですと過去問題集やマークシートまでもがPDFでダウンロードできるため、問題形式やフォント等に慣れておくという点でも有効かと思います。
紙で打ち出し横断的に全部問題を解いてから採点することで凡ミスや苦手分野を再確認することができます。
個人的には紙ベースで問題を解いたほうがアプリよりもじっくりと問題を読んだり、線を引いたりできるため正解率は少し上がった印象でした。
予想問題集は必ず解け!2025年度以降は予想問題集のやりこみが鍵になりそう
予想問題集は必ず解きましょう。
先述の通り、国家資格になってから賃貸不動産経営管理士の合格率はどんどん落ちています。
問題も過去問なんて目じゃない難易度となっており、過去問を解いているだけでは確実に合格できない試験であると2024年度に合格した自分としては強く感じました。
このため、予想問題集のやりこみが勝負の鍵になると思います。
賃貸不動産経営管理士に合格してみての感想
宅建合格レベルの人間なら合格に50時間も不要
宅建合格・もしくはそれに近いレベルの方なら50時間も合格のための勉強時間を要しないと思います。
DIYをやらない方や建築関係者でもない限り設備関係が鬼門に思われますが、それも暗記すればいいレベルであり、その他についても宅建プラスアルファ程度でした。
どんどん難化傾向とはいっても宅建よりはまだまだ簡単ではないかと思います。
試験問題を解くだけなら20分ぐらいで完了する
賃貸不動産経営管理士は難化傾向とはいえ決して難しい試験ではありません。
ギリギリ合格の人間が言うのもおこがましいですが、試験問題を解くだけなら20分あれば大丈夫でした。
設備関係の問題が多く、考えずにすぐに回答が導き出せるため、宅建より回答完了までかかる時間は短いものと思われます。
宅建を経ずに賃貸不動産経営管理士へ挑戦するのはおすすめしない
宅建の前哨戦的に賃貸不動産経営管理士を考えている方もいるかもしれませんが、それはおすすめしません。
賃貸不動産経営管理士のテキストや問題集が宅建合格者・試験経験者を前提として作成されているため、いきなり賃貸不動産経営管理士を目指しても挫折する可能性が高いからです。
そもそも論として賃貸不動産経営管理士は2024年現在独占資格ではないためこの資格を取得したとしても宅建ほど転職・就職に役立つものではありません。
自分は不動産業ではないものの人事に関わっておりますが、そもそも不動産業界以外の人間は賃貸不動産経営管理士という資格を知らない(せいぜい名刺の資格欄で見るぐらい)です。転職・就職やキャリアアップとしても現代ではそこまで必要な資格ではないでしょう。
総評:早めに受けておかないと難しい試験になるかも…
今回自分は人事部かつ借上社宅等を担当していること、業務上不動産の契約等も行うことがあるため、資格手当がもらえないにも関わらず試験に挑戦、無事合格しました。
先述の通り宅建に受かっていれば決して難しい試験ではありません。
賃貸不動産経営管理士は不動産、特に賃貸不動産についての知識を得ることができます。
宅建だけでなくFP等も併せて持っていればマンション購入や親の相続等、プライベートでも役立ちます。
何度も記載しておりますが、2024年試験は過去に比べて大幅に難化したという声が出ている状況であり、試験合格率も資格制定時のほぼ誰でも合格するような試験から2024年の合格率24.1%、資格受験者のレベルを考えれば宅建並かむしろ難しいぐらいの難易度となっております。
実際、会場でも宅建受験時にはまま見られた高校生や法学部っぽい大学生の姿はほとんどなくなり、不動産業の事務方の女性や営業っぽい人が多かった印象です。
今後も試験難の流れは止まるとは思えません。早めに受けておかないと手が届かない試験になってしまいそうです。
ぜひとも早めの資格試験・合格をおすすめします。