法学部卒の自分が宅地建物取引士に2ヶ月半、勉強時間40時間で合格した独学勉強法と受験してみての感想
こんにちは、杉浦かおると申します。
2024年度の宅地建物取引士に独学で合格しました。
期間は約2ヶ月半。
勉強時間は40時間ほどの独学で一発合格しました。
ネットで調べると「勉強期間は半年!勉強時間は250時間以上必要!」なんて記事が多いかと思います。もっとも、それは法律科目の初学者向けです。
法学部卒の自分は2024年10月20日の試験に対してお盆から勉強を始め約2ヶ月半、勉強時間40時間で実際に合格しています。
今回は宅地建物取引士に法学部卒業者が卒業するための金・時間を掛けない勉強法についてお話します。
ただし、自分の自己採点結果は38点。2024年度のボーダー37点を上回ったものの、あまりにもギリギリです。
このため、あくまでも自分の勉強法は「資格にギリギリ合格すること」だけを主眼においた記事であることを念頭においてご覧ください。
自分の学歴・保有資格等
まず資格合格記を記載するにあたり、合格者たる自分の学歴・保有資格等を記載しなければ後に続く受験者の参考にならないと自分は考えています。
スペック・保有資格等については下記の通りです。
- 学歴:地方国立大学法学部卒
(会社法ゼミだが実定法が楽しくなく、国際政治関係ばかり勉強していた) - 年齢:アラサー
- 仕事:数千人クラスの企業における人事部(福利厚生・借上社宅担当)
その他契約担当等も経験あり
保有資格
- FP2級
- ビジネス実務法務検定2級
- 日商簿記3級
- ITパスポート
- 危険物乙四 その他もろもろ (ちなみに社労士勉強中)
宅建合格にあたり使った教材
使用した教材は
- 教科書はTACの「わかって合格(うか)る宅建士 基本テキスト 」
- 過去問はアプリ・ネットの「宅建過去問道場」
- (購入しませんでしたがあったほうが良い)予想問題集
の3つでした。
過去問道場(基本無料)のサブスク代を含めてテキスト代は5,000円も掛かりませんでした。
下記に詳しく解説します。
教科書は「わかって合格(うか)る」シリーズがおすすめ
宅建という資格は長い歴史を持つため、教科書は充実しています。特段どれを購入するかにこだわる必要はありません。本屋で評判のいいものを使用すればよいかと思います。
自分が使用したのはTACの「わかって合格(うか)る」シリーズ。これは単純に文章量が多く内容が充実していたことから選択しました。
教科書については不明な点があったら辞書的に引く使い方をしていたことからできる限り文章量、論点の多いものが便利な印象です。
その他「みんなのほしかった」シリーズなども有名ですが、これは好みでいいかと思います。どうせ過去問がメインの勉強になりますので…。
過去問集を購入する必要なし!Webアプリ、ブラウザの「宅建試験ドットコム」の宅建過去問道場を使え!
宅建試験においてお金を出して過去問集を購入する必要はありません。
Webアプリ、ブラウザの「宅建過去問道場」を使えばOKです。実際ほぼ使ったのはこれだけです。
なお、宅建過去問道場は有料プランに加入したほうが間違いなく良いです。(後述)
ただし、半年以上掛けて勉強する方であれば後述の通り一問一答の正解率が85%を超えてからでいいかと思います。(それでも月額400円ぐらいですが…)
予想問題集も解いておけばもっと合格点は高かったかも
勉強時間が短かったことから購入・使用しなかったものの予想問題集も解いておけばもっと点数が上がっていたのではないかと思います。
予想問題集についてはどれを購入しても良いかとは思いますが、TACのものが一番有名ですよね。
時間的余裕があればすべての予想問題集を購入していたかもしれません。
(同じ職場で受けられる人がいれば割り勘するなどしてもいいかも)
2ヶ月半、40時間で宅建に合格した私の勉強法
教科書を2回読む
とりあえず通勤時間や寝る前など気楽にパラパラとめくる感じで教科書を2回は通読します。
アンダーラインは一切引かなかったものの、特に気になる分野や過去問を解いていて正答率の低かった分野については小さい付箋を貼り付け再読していました。
過去問テキストは不要「宅建過去問道場」をやれ!過去問道場の使い方
次はすぐに過去問に取り掛かります。
法学部卒は宅建勉強における最も厄介な分野「法令」の勉強をほとんど要さないことから教科書は早めに切り上げ「宅建過去問道場」で過去問をひたすら回していくのがいいと思います。
過去問道場は紙テキストよりも充実しているうえ、使い勝手も良いことから「どうしても紙を用いないと勉強できない!」という方以外は過去問道場を使うべきであると考えます。
下に「宅建過去問道場」の使い方を記載します。
なお、あらかじめアカウントを作成しておくと正答率が通算されるのでアカウントは先に作っておきましょう。ちなみにタブレットやスマホでアカウントは使い回せるものの、キャッシュで正答率を共有しているようで機種ごとの正答率にしかならないようです。
一問一答を解き続けて正解率85%まで持っていく
まずいきなり4択問題へは行わず過去問の一問一答を解いていきます。
分野ごとの小見出しがありますので上から順に潰していきましょう。
※設備等の常識的なものを「デザート」として運用していました。
一問一答をまず解くべき理由は、四択問題をいきなり解くと二択で悩んでたまたま当たったものも正解となってしまうことから、不十分な理解に留まってしまうためです。
特に宅建は正誤の数を当てる「個数問題」が近年増加傾向であり、「二択に絞ってどっちかが当たればOK」という勉強では正答できません。
このため、まずは一問一答を解き続けてあやふやでない確実な知識を得られるようにするのが良いと思います。
個人的にはすべての分野で正答率が85%になるまでは一問一答をとにかく解き続けました。ただし、自分はボーダーギリギリ合格だったため余裕があれば90%ぐらいまで正答率を上げておくべきかもしれません。
一分でも空いた時間があればスマホから解くのが良いと思います。(アプリもあります)
テキストを持ち歩く必要がなくどこでもできるのが一問一答のいいところ。
気分転換にカフェでポチポチしたりしていました。
有料会員になったうえで四択問題に突入する
一問一答が85%以上(欲を言えば90%以上)正答できるようになったら、いよいよ四択問題です。
これも分野ごとに順番に解いて行けばいいです。
一問一答でしばきあげられている分、四択はそこまで心理的・時間的にも苦労しないかと思います。
これも正答率85%、欲を言えば95%を目指しましょう。
スマホだと画面サイズから四択問題は見にくいため、四択についてはタブレットやPCで取り組んだほうがいいと思います。
自分は1時間早く出社して始業前に会社のPCでひたすら問題を解いていました。
注意点として四択問題に突入する前に有料会員になっておく必要があります。
無料会員では四択問題の解答解説が隠されてしまうためです。
有料会員になるのは四択問題まで解けるようになってからで良いと思います。(挫折するかもしれませんし…)
PDF形式で打ち出して紙で回答する
仕上げとして過去10年分程度の過去問題を過去問道場から紙で打ち出します。本番さながらに時間を測り解いていきましょう。
有料会員ですと過去問題集やマークシートまでもがPDFでダウンロードできるため、問題形式やフォント等に慣れておくという点でも有効かと思います。
紙で打ち出し横断的に全部問題を解いてから採点することで凡ミスや苦手分野を再確認することができます。
個人的には紙ベースで問題を解いたほうがアプリよりもじっくりと問題を読んだり、線を引いたりできるため正解率は少し上がった印象でした。
余裕があれば予想問題集も行おう
余裕があれば予想問題集も解いておきましょう。
今年改正になった最新の内容が反映された予想問題集は一つはやっておきたいもの。
自分は勉強期間が短く予想問題集まで手がつけられなかったです。
予想問題集に取り書かれる余裕が出来てから別途購入すればよいかと思います。
さらに余裕があれば模試も受けていいかもしれませんが、2ヶ月半で合格のため自分には必要を感じませんでした。
法学部卒の自分が宅建に合格してみての感想
法学部卒ならば宅建合格に必要な試験勉強時間は100時間を超えることはないだろう
卒業して相当時間が経っていない限り、法学部卒なら宅建合格に100時間も勉強を要しないと思います。
法律という理解が必要な分野を修めているわけですのであとは規制・税などの馴染みのない分野、それも大方は暗記をすれば良いだけですので、勉強時間はそんなに必要ないと思います。
試験問題を解くだけなら30分ぐらいで完了する
法学部卒であるならば宅建合格は決して難しい試験ではありません。
ギリギリ合格の人間が言うのもおこがましいですが、試験問題を解くだけなら30分ぐらいあれば大丈夫でした。
令和3年民法大改正前に法学部を卒業しているならば改正民法に面食らうかも
令和3年(2021年)の民法大改正前に法学部を卒業した方においては、民法改正に伴い大学で学んでいたことと内容が変わっていることに面食らうかもしれません。
例えば「錯誤無効」が「錯誤取消」、成人年齢引き下げ(これは普通の方なら存じていると思いますが…)などがあげられます。
少なくとも2024年の教科書「みんなが欲しかった」シリーズでは民法改正に伴い取り扱いが変わっている等の記載はなかったことから、令和3年以前に法学部を卒業した方におかれては事前に改正民法の内容等を書籍やサイトで確認しておくと理解の一助になるのではないかと思います。
総評:法学部卒なら履歴書の賑やかしに受けてみればいいかも
今回自分は人事部かつ借上社宅等を担当していること、業務上不動産の契約等も行うことがあるため、資格手当がもらえないにも関わらず試験に挑戦、無事合格しました。
先述の通り法学部を卒業しているのであれば決して難しい試験ではありません。
不動産についてのある一定の知識を得ることができますのでFP等も併せて持っていればマンション購入や親の相続等、プライベートでも役立ちますし、文系総合職として仕事をするうえでも不動産・民法における基礎的な知識を擁していると業務上何かと助かることになるかと思います。
個人的には以前合格したビジネス実務法務検定2級よりもよほど実務で役立つという印象です。
転職の際も「宅建」は資格欄でも目を引きます。実際に自分は人事として働いておりますが、転職者を採用する際に宅建を持っていることが大きな決め手となったケースを複数見ております。
不動産業等で必要に駆られていなくとも転職時の履歴書の賑やかしとして、法律の学び直しの「とっかかり」として、はたまた暇つぶしとして、法学部卒ならば宅建を受けてみることをおすすめします。