技術をオープンにする現代格闘技・隠すことに意味がある伝統武術
こんにちは、杉浦かおる(@munenmusou_blog)と申します。
私は5歳から高校卒業まで伝統派空手、中学は剣道部、大学は合気道部、現在はキックボクシングを行っている格闘技オタクです。
格闘技、武道が好きな方にとって「伝統武術、現代格闘技はどちらが強いのか」という疑問は永遠になくならないテーマでしょう。
あえていろいろな格闘技を行ってきた自分からすれば「伝統武術と現代格闘技を並べて評価するのはナンセンス」であると考えています。
今回は伝統武術と現代格闘技の違いについて自分の経験から記載していこうと思います。
現代格闘技は技術交流に意味がある
現代格闘技はスポーツであることから、技術交流が盛んなのは言うまでもありません。
試合というオープンな場所でそれぞれの技術を出し合う。
自分の能力を最大限に発揮する。
これが現代格闘技の特徴です。
もっと言えば、最近はSNSの発達により様々な新しい技が一周にして世界を駆け巡ります。
これによって格闘技の技の進歩が著しくなっていると言われます。
特に柔道に顕著とのことです。
伝統的な武術は「技術を隠すもの」
一方、武道、特に古武術のような伝統的な武術にとって「技術は隠すもの」です。
それぞれの武道の奥義に関しては一族にしか伝授しない武術流派も多くあると言えます。
実際に私が所属していた合気道の流派は柔術の影響を強く受けており、有段者であった自分でも上伝は一切教えてもらえなかったです。
現代格闘技は「試合の勝利」伝統的な武術は「殺し合いによる生き残り」を最終的な目的としている
この違いは技術を発揮させる場所が「試合」と「殺し合い」の差であることが言えます。
例えばボクシングの技術を学んだとしましょう。
その機会を発揮する場所は「試合」です。
喧嘩や護身としてボクシングの技術を使う場面もあるかもしれませんが、それはあくまで副次的な目標であって本来的には「試合で勝つ」ための努力になります。
一方、古武術においてはその能力を発揮するのは「殺し合い」です。
相手を斬る、折る、殺す、殺されないようにする。
このための能力が必要になり、そのために努力をするのが武術です。
伝統的な武術にとって殺し合いでも「奥義」を見せるべきではない
もっといえば、伝統的な武術にとってこの「殺し合い」においてもすべての技術を出すことも慎まれるべきです。
見物人や生き残りが「奥義」を見てしまうと「奥義」の効果は半減します。
その対策を取られてしまう。
ポーカーなら相手に自分の手札をすべてさらけ出してしまうような行為になるからです。