消防団に向いている人、向いていない人についてまとめてみた
こんにちは、消防団員5年目で班長をしている杉浦かおると申します。
今回は消防団に入った方がいい人、入らない方がいい人についてまとめました。
さて、ネット上では消防団に対する呪詛の書き込みがたくさんあります。
一人の消防団員である自分がそれらの書き込みを見る限り、ブラック消防団であっただろう方もいるものの、中には残念ながら単純に消防団という組織に向いていなかったんだろうなあという方も散見されます。
消防団で嫌な思いをしたのは、その方や団にとっても残念なことです。
と言うわけで、今回は自分の経験の中で培った独断と偏見で消防団に向いている、向いてない人を挙げていけばと思います。
ただ、別の記事にも書いていますが、「ブラック消防団」である場合、入団すべきでないのは言うまでもありません。
今回の記事はあくまで入団したいと思える消防団が「ホワイト消防団」であるという前提で読んでいただければ幸いです。
- 酒・タバコ・女のどれかが好きだとなじみやすい
- 体育会系が可愛がられる
- スポーツ万能は(操法大会で)重宝される
- インドア派でも事務作業ができる人は欲しい
- 学生のころに部活動経験がない人は厳しいかも
- 理不尽耐性がない人が入団すべきではない
消防団に向いている人
ここからは、消防団に向いている人について書いていきます。
消防団は昨今女性消防団員が増えつつありますが、あくまでも男集団であることはしばらく変わりそうもありません。
このため、男に好かれる人ならば、消防団は向いているでしょうし、分団の中でうまくやっていけるのではないかと思います。
酒・タバコ・女が好きだと馴染みやすいかも
いきなりぶっちゃけてしまいますが、「酒・タバコ・女」は消防団とは切っても切り離せません。
かつてほどこれらを好む人は少なくなってきてはいるものの、「酒・タバコ・女」はまだまだ消防団では主流です。(年齢層の高い分団では特に)
入ったばっかりの団員であっても、酒好きやいわゆる「タバコミュニケーション」ができる方は消防団の雰囲気にすぐになじめるのではないでしょうか。
また、夜のお店が好きなスケベさんも消防団に向いています。
自分の分団では繁華街の飲み会の後、スケベ共が連れだってあやしいネオンが光る通りに消えていくのがお決まりです。
とかく、昭和的な「男と男のお付き合い」は今なお消防団に色濃く残っています。(もしかしたら民俗学的に価値があるのではと思うぐらい)
ただ、これらを強要されることはまず昨今ではないと思います。
そのような消防団であるならばフェードアウトするべきでしょう。
自分は大学まで体育会の部活動をしていましたのでこの風習に馴染めるところはありました。
分団のカラーによっては麻雀ばっかしてるところもある
体育会系がかわいがられる
ボランティアとは言え、実際に火事場にも立たされることもある消防団ですから、雰囲気は体育会系です。
令和の時代にはなかなかない雰囲気があります。
理不尽なことも時たまありますが、理不尽に対して「まぁ、しょうがねーなー」で済ませられる人間が向いていると思います。
(逆に針小棒大に受け止めてすぐにネットにぐちぐち文句たれる人間は向いていないと思う。)
野球部をはじめとした運動部の出身者や、元自衛隊員など体育会系の経験がある人間は可愛がられるのではないかと思います。
少なくとも体育会系のノリに適応できる人間であれば学校の部活ほど厳しくはないので消防団という集団に適応は可能です。
いろいろな職業についている方との交流ができる側面もありますので、人間的な視野が広がったり、他業種について学ぶことも多い
スポーツ万能は重宝される
消防団において、操法大会は切っても切り離せません。(僕はそろそろ切り離すべきだと思いますが)
操法大会において必要とされる足の速さ、動作の正確さを兼ね備えた人間が消防団には求められます。
つまり、スポーツ万能な新団員が来てくれたら正直めっちゃうれしいです。
スポーツができる、足が速い人は消防団に入ったら大事にされると思います。
スポーツは苦手であっても(おじさんに比べて)体力がある若者というだけで重宝されることは間違いないです。
若いってだけで重宝されるので、コロナ禍で暇な大学生はサークル感覚で入ってみてくれると嬉しい
事務作業ができる人
いままでの文章を見ていて、「自分は運動もできないし、酒も苦手なんだけど…」という方であっても問題ありません。
消防団は「脳みそ」を求めています。
消防団員は慢性的に事務屋が不足しています。
役が付くといろいろな会議に出席したりもしますが、それだけでなく役所の防災課との折衝や、町内会との調整、団の会計の伝票作成など、農家や自営業が構成員の多くを占める消防団員や幹部連中が苦手とし、できればやりたくないと思っている事務作業は意外と多くあります。
それらを代わってやってくれる方、経理や営業経験者はどこの分団であっても喉から手が出るほど欲しいはずです。
「じゃあ分団の会計、代わりに僕がやりますよ!」の一言があれば、分団の方々からありがたがられること請け合いです。
工場のライン勤務の先輩が、全く分からない会計を任されて〆期に男泣きしている現場を見たことがあるので、簡単な簿記ができる人はかわりにやってあげると喜ばれると思います
消防団に向いていない人
残念ながら消防団に向いていない人はいると思います。実際に僕の分団でもすぐに来なくなってしまったり、「ちょっとアイツはな…」って人は実際いました。
せっかく入った消防団で嫌な思いをしてしまわないように、ここからは消防団に向いていない人を上げていきます。
部活経験がない人は厳しいかも
先述した通り、消防団は体育会系のノリです。
さすがに分別のある大人であるため、部活経験者であれば全く苦にはならない程度ではありますが、体育会系部活動未経験者であれば消防団のノリについていくことは厳しいのではないかと思います。
消防団は、いい大人が詰所等でミーティングをしたり、男同士で旅行に行ったりと社会人になってからはなかなか体験できない濃密な人間関係を築く場所でもあります。
このため、そういった経験がない、そういったことをしたくない、という人にとっては厳しい場所とであると感じられるかもしれません。
1年目は指示されながら色々雑務をこなしていくことになるので、それをヘラヘラしてこなせるかどうかが分かれ目な気がする
理不尽耐性がない人には向いていない
消防団は理不尽なことがそこそこあります。(消防職員はもっと多いらしいですが)
OBがわけわからないことを言ってきたり、(金もほとんど出てないのに)地域住民からクレームもらったり…。
操法大会なんて最たるものです。
こういった理不尽にいちいちキレていては消防団員は務まりません。
もちろん不正なことやおかしいことについては毅然と改善を求めていくべきでしょうが、どうにもならないこともあります。
そういった理不尽に耐えられない人間は消防団に入ると不幸になってしまうでしょう。
逆に言えば、学生さんが入ったら社会(理不尽)について学ぶいい勉強の機会にはなるとは思います。
総評:要は消防団の体育会系ノリについていけるかどうか
長々と書きましたが、要するに消防団になじめるかは昭和的な体育会系のノリについていけるかどうかというところです。
簡単に言ってしまえば消防団の雰囲気など「男子中学生に財力と酒を持たせたらこうなりました」って感じです。
消防団を楽しめるかはつまらない恥を捨てて消防団の男同士でバカなことを行えるかどうかにかかっています。
こういったところで一番嫌われるのが妙にすかした態度を取る奴。
運動ができるかできないかなんて関係なく、一つの目標に向かって進めるナイスガイが既存の消防団員にとって好かれるわけです。
とりあえず、どうしても体育会のノリが苦手…といった人でなければ消防団はよほど務まると思います。
ぜひとも、地域防災の要として消防団に入ってみてはいかがでしょうか。