旅行ができないご時世なので、旅館の浴衣を部屋着にした話
杉浦かおる
大きな家にひとりぐらし
愛知の田舎から東京に引っ越した。
食文化の差に辟易することも多い。
その最たるものが味噌。
白味噌が多いのだ。
職場では弁当を取っている。
新宿のビルの中に社員食堂を作ることは出来ないためだ。
その弁当、いつも味噌汁がついてくるのだが、付属の味噌汁は全てが白味噌。
自分に言わせれば白味噌なんぞお吸い物と同じジャンルであり味噌汁とは呼べない。
実家では合わせ味噌すら使わず赤一色。
赤味噌のパンチのあるコクが欲しい。
それに比べて白味噌にはコクがない。
醤油とあまり変わらない。
味噌汁とは呼びたくない。
いわば濁ったすまし汁である。
そんな白味噌だけで作られた味噌汁をを来る日も来る日も食べる毎日。
だんだん精神的に辛くなってくる…
職場の昼飯は精神衛生にとって重要であると改めて感じる。
もう諦めてひるげでも買って持ち込もうかな…
もっとも、スーパーではコーミソースやカクキュー銀カップなど、元々三河人が育てただけあって三河の地物の調味料は揃う。
角谷文治郎商店のみりんもあって驚いた。
家康が育てた江戸ということはあり、三河のものは多いのだろう。
聞いたことがある話としては大阪からの船が半田あたりで荷を積み替えて江戸にやってきていたということ。
ミツカンが全国企業になったのも江戸との交易とのおかげだとか。
三河人としては捨てたもんじゃない。