江戸時代の町火消が火事場で殴り合っていたのは本当だと思う
消防団のあり方が問われている昨今、皆さんはどうお過ごしでしょうか。
こんにちは、杉浦かおるです。
自分は消防団の班長として、新人を指導していく立場にあります。
実際の火事場や冠水時の対応等、災害現場に何度も臨んでいます。
その中で実感を持ったのは、火事場や災害現場において、人間は極度に興奮するということです。
実際に、私は住宅密集地において家が3件ほど全勝する火災に際し、最前線で放水をしたことがあります。(幸いにも人的被害はなし)
その際は、比較的冷静である自分が各団員に対して怒鳴り散らし(仲間もみんな怒鳴ってました)水利を探して駆けずり回り続けることができました。
自分でも、なぜあのときにそこまで興奮したのか不思議に思います。
さて、自分は災害について勉強するため、東日本大震災や阪神大震災におけるファーストレスポンダーである救助隊員や消防団員のノンフィクションを何冊か読みました。
その中で共通していたのは、何日も寝ずに働き続けられること、普段ではありえないほど躁状態になる人がいると言うことです。
先述した通り、自分は鎮火するまでは極度の興奮状態に置かれていましたが、(鎮火後は地獄の残火処理でブルーになります)、大規模災害の渦中にあった彼らは興奮状態から脱することなく、数日を過ごすこととなったのだろうと思います。
ここからが本題。
消防団の祖先である町火消について書かれた本を読むと、町火消は実際の火事場で他の組と喧嘩をしていることがあった、と書かれていました。
町火消の主な構成員は鳶職であることはご存知かと思います。
現在でこそだいぶおとなしくなったかとは思いますが、私と同じ団の大工が「鳶はマジでやべえよ」と言うぐらいですから、やはり今でも気風は残っているのでしょう。(ちなみに大工の彼も十分おっかないです)
火事と喧嘩は江戸の華と言われた江戸時代においては、現在では思い及ばないぐらい気性が荒かったのは間違いないでしょう。
そのような集団が火事場という極度の興奮状態におかれて、消火活動を淡々と行えたとは思えません。
むしろ、殴り合いで済んでいるぐらいならばまだ穏健な方でしょう。
なお、名誉のために言いますが、消防団員は火事場で殴り合うことはしませんよ。