消防団
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現役消防団員が考える「EDCポーチ」の中身について

杉浦かおる
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杉浦かおる(munenmusou_blog)と申します。

私は消防団6年目の班長です。

火事場での最前線の放水や台風時の水防活動、たまたまですが怪我人の救護活動をしたことがあります。

その中で、「EDC」について関心を持ちました。

「EDC」というのは「every day carry(エブリディキャリー)」の略語です。

一言で表現すると「災害などに備えて毎日持ち運ぶ最低限のアイテム」といえます。

この「EDC」はアメリカを中心に流行している概念で、日本でもミリオタを中心に少しずつ広まっています。

ただ、アメリカと日本では法的にも環境的にも持ち運ぶアイテムは異なるうえ、高価なアイテムや無駄なアイテムを持ち運ぶことは金銭的に無駄です。

「EDC」をただのミリタリー・サバイバルマニアの道楽にとどめるのではなく、一般市民の皆様に「EDC」を防災の観点から活用していただきたいと思い今回記事を作成しました。

今回は現役消防団員たる私がいつも持ち運んでいる最低限の「EDC」の中身をご覧いただければと思います。

自分の所持するアイテムの一覧
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「EDC」アイテムの選び方

銃刀法・軽犯罪法に触れないものを携行する

工具やナイフの携行は基本的に認められていない

あたりまえですが法に触れないものを携行しなければなりません。

刃の付いた十徳ナイフなんかはもってのほかです。

私はキャンプが趣味ですが、野外活動においても十徳ナイフを使用するシチュエーションは稀。

そもそも少なくとも都市で生活しているのであれば十徳ナイフなんて持ち歩く必要はありません。

また、刃物やドライバーなどの一部の工具は銃刀法、特殊解錠用具の所持の禁止等に関する法律、軽犯罪法など各種法律により理由なく携行することが禁じられています

これらは正当な理由があれば免責されるものの、はたして職務質問を受けた際に「EDCの一環で所持しています!」と主張してそれが通るかと言えば甚だ疑問です。

署まで連行されて任意没収、厳重注意になるならまだマシで罰金刑などを課される可能性もあります。

災害から身を守るための「EDC」によって無駄な「災害」を呼び込んではいけませんし、警察官の仕事を増やしてもいけません。
※空き巣御用達懐中電灯「ミニマグライト」を携行しているだけでも職質を受けると大変なことになるという噂を聞いたことがありますがこれは本当なのでしょうか

安いアイテムでそろえる

サバイバルマニアではない限り「EDC」は安いアイテムでそろえるべきでしょう。

下に自分が携行しているアイテムを提示していきますが、ほとんどのアイテムは100円ショップで揃えたものです。

「EDC」は使わなくていいならそれが一番。

わざわざ高価なものを購入する必要はありません。

安くそろえるのが賢いと思います。

持ち運ぶものは最低限にする

重いと持ち運ばなくなる

「EDC」はその名の通り毎日持ち運ぶ必要があります。

出先で災害に遭った際に装備していなければ意味がありません

例えばあれもこれもとアイテムを入れて重かったり嵩張ったりしたら面倒で持ち歩かなくなってしまいます。

最低限必要なものを所持するにとどめておくのが「EDC」を日常化するための要件だと思います。

自分で使えないものは持ち運ばない

自分で使えないアイテムを持ち歩くのは愚の骨頂です。

例えばパラコードを持ち歩いていたとして、紐の結び方が分からなければ使いようがありませんし、CAT止血帯を携行していても不用意な使い方をして四肢の壊死を招く可能性があります。

持ち歩くものは自分で使えるようにしておかなければなりません

応急手当ができるよう消防署で行われている救命救急講習に参加するのもおすすめです。

実際に私が持ち歩いているアイテム

ここからは、現役消防団員である私が普段持ち歩いているアイテムについて、皆様の「EDC」の参考にしていただきたく挙げていきます。

自分の「EDC」コンセプトは以下の通り

杉浦かおるの「EDC」コンセプト

災害発生時に10キロ圏内にある自宅までバイク・車で帰宅するための装備
自己・他者の軽いけがの応急手当ができる
気温・ケガのショックに伴う体温低下に備える

なお、自分は本州の地方都市在住であり、行動範囲も狭く、車・バイクで移動できるという生活です。

つまり、日本の中でも「EDC」が最も少なくて済む者であると考えています。

この記事を読まれている方は「北海道の町村部在住」や「東京で電車通勤」など私とは異なる生活をしている方は多いでしょう。

よって、あくまでも自分の「EDC」は基本中の基本と思っていただき、適宜必要と思われるアイテムを追加していただくのがいいかと思います。

サコッシュ(MYSTERY RANCH 「STREET MARKET」)

「EDC」のアイテムを持ち運ぶのは普段使っているバッグで結構だと思います。

女性なら普段使っているハンドバッグの中に。アイテムを詰めた小さなポーチをバッグインバッグとすればいいでしょう。

男性なら仕事用のカバンやリュックに入れておけば十分です。

自分は通勤・普段使い兼用としてミステリーランチのサコッシュを使っています。

荷物が大して入らないという難点がありますが、常に持ち運んでいるという点から自分はこのサコッシュを愛用しています。

ダイソー「緊急簡易ブランケット」

自分持ち運んでいるのはダイソーの「緊急簡易ブランケット」

いわゆるレスキューシート、サバイバルシートと呼ばれるものです。

これを持ち運んでいるのには理由があります。

以前消防団の詰め所で会議をしているときに詰め所の外で交通事故が発生しました。

幸い骨折程度のケガで済んだようですが、跳ねられた老人がショックで体温低下をきたしており、夏にも関わらず寒さを訴えたため、詰め所にあった冬用ジャンパーを何枚も被せたことがあります。

レスキューシートはケガなどでショック状態に陥った際に体温低下に対応します。

また、出先で公共交通機関が遮断され身動きが取れなくなった、雨に濡れたなどの場合において毛布やポンチョ代わりにもなります。

なお、レスキューシートの性能としては、SOLのエマージェンシーブランケットの方が実際に使っていて優れていると感じました。

ホイッスル

家屋倒壊時に下敷きとなった場合において、体力を消耗せずに自分の居場所を教えられるホイッスルも携行しています。

写真のものは100円均一で購入したものですが、音があまり鳴りませんので買い替えを検討中です。

モルテンのホイッスルや単管ホイッスルの購入を考えています。

パラコードキーホルダー

セリアで売っていたパラコードのキーホルダー。

引き延ばすと長いコードになります。

ただ、自分は紐を結ぶのが苦手なので、実際に使える気がしません。

パラコードの腕輪なども売っていますが、ミリオタみたいで気持ち悪いのでカバンの中に入れられるキーホルダー型にしています(同族嫌悪)

ミニ懐中電灯(レッドレンザー SOLIDLINE STI)

単四1本で使えるミニ懐中電灯です。

スマホのライト機能はバッテリーを消耗して肝心な連絡が取れなくなってしまうのでスマホを持っていてもライトは別に携行することをおすすめします。

先述の笛やパラコードキーホルダーと一緒に車のカギとまとめています。

当該商品はAmazonでは売っていません(近所のホムセンで購入)が、単四1本サイズのLED懐中電灯としては、マグライトのソリテールが有名です。

ただ、マグライトはブランドに胡坐をかいており高いくせに大したことない性能なので、ジェントスの製品にした方がいいかもしれません。

マルチツール(NITEIZE(ナイトアイズ) ドゥーヒッキー キーツールプラス)

ナイトアイズのマルチツール。

これは刃が付いておらず軽犯罪法的にも大丈夫でしょう。

ただ、アメリカブランドでインチ単位のため、マルチツールとはいっても段ボールカッターと栓抜きとしか使っていません。

現在、私の使い道は消防団の飲み会で先輩に瓶ビールを注いで廻る際、栓抜きがない場合の代用。

ちなみに、栓抜きとして使うだけならばカラビナ型のこちらの方がおすすめです。
※なぜか知り合いの土建屋さんや、本職の消防士さんはベルトによくこれをぶら下げています

その他携行品

絆創膏

救急箱から拝借した絆創膏を10枚ぐらい持っています。

モバイルバッテリー

モバイルバッテリーも「EDC」として使えます。

大規模災害で帰宅難民になったときなどにスマホの充電ができるからです。

マスク

不織布マスクは何枚か持っておくと便利でしょう。

コロナの関係だけでなく地震・洪水に伴い発生した粉塵に対する簡易的な防護具として使えます。

総評:あなただけの「EDC」を作ろう!

「EDC」は、違法なアイテムを携行しない限り何をやってもいいと思います。

例えば過疎地域で第一次産業をしているなら自己治療するための救急用品を増やすべきだと思いますし、都会なら家に帰るまでのアイテム(例えばモバイルバッテリーや行動食)などを充実すべきでしょう。

また、自宅や職場に置いてあるアイテや自宅までの距離、体力、持病などでも携行品は変わります

ぜひとも私の携行品をたたき台にして、あなたに合った「EDC」を作ってみてください

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筆者について
杉浦かおる
杉浦かおる
サラリーマン、兼業ブロガー
祖父から譲り受けた築50年の一軒家をちょこちょこ改造しています。
趣味はバイクとカメラと文章を書くこと
複数のブログを運営しています
7年務めた消防団を退団しました
読んだ人が少し役に立てるような記事を心がけてブログを書いています。
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